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ヒーリング整体について話すとき、「何をする施術ですか?」と聞かれることがあります。
けれど私は、まず「何をしていないか」から伝えたいと思っています。
ヒーリング整体は、無理に整えません。
引っ張りません。
正そうとしません。
良くさせようと、急がせません。
身体を変えることを、こちらの都合で決めない施術です。
不調があると、どうしても「原因」や「正解」を探したくなります。
ここが悪い。
これが足りない。
だから、こうすればいい。
でも身体は、そんな単純な仕組みではありません。
ヒーリング整体では、「ここが原因です」と断定しません。
「こうなります」と約束もしません。
代わりに、今その身体に起きていることを、静かに感じ取り続けます。
触れない時間があるのも、そのためです。
外から刺激を与えすぎると、身体は「応えよう」としてしまう。
本来の反応ではなく、期待に合わせた反応を返してしまう。
だから、何もしない時間を大切にします。
ヒーリング整体は、身体を導く施術ではありません。
身体が自分で動き出すのを、邪魔しない施術です。
「これで合っていますか?」そう聞かれることもあります。
でも、合っているかどうかを決めるのは、私ではありません。
呼吸が変わったか。
内側が動き出したか。
力が抜ける瞬間があったか。
その反応が、答えです。
「正しくありたい人」ほど、施術でも答えを求めがちです。
でも、ヒーリング整体には、正解はありません。
あるのは、その人の身体が選ぶタイミングだけ。
何もしないこと。
急がないこと。
変えようとしないこと。
それらを“しない”と決めているからこそ、身体は安心して、自分の力を使い始めます。
ヒーリング整体は、何かを与える施術ではありません。
すでにある力が、働けるようになるための、静かな環境をつくる施術です。
少し楽になると、どこかで不安になる人がいます。
こんなに力が抜けていていいのかな。
ちゃんとしていない気がする。
サボっているように見えないだろうか。
ヒーリング整体をしていると、「楽」という状態に、ブレーキをかけてしまう人をよく見かけます。
それは、楽でいること=怠けていること
頑張っているとき。
踏ん張っているとき。
力を入れているとき。
そういう状態のほうが、「ちゃんとしている」と感じられる。
でも、身体にとっての“ちゃんとしている”は、少し意味が違います。
力が抜けている。
呼吸が自然に流れている。
内臓が静かに動いている。
その状態は、怠けているのではなく、本来の働きに戻っているだけ。
楽になると、余白が生まれます。
余白ができると、今まで見えていなかったものが見えてくる。
それが、不安につながることもある。
だから無意識に、また力を入れたくなる。
頑張っている状態に戻ろうとする。
責任感が強い人ほど、楽になることに罪悪感を持ちやすい傾向があります。
でも、身体は楽な状態のときにこそ、回復し、調整し、次の動きを選べます。
楽でいることは、止まることではありません。
投げ出すことでもありません。
むしろ、無理を続けないための、大切な基盤。
ヒーリング整体では、「楽ですね」と声をかけたときに、涙が出る人もいます。
それは、怠けていたからではなく、ようやく力を抜けたから。
「楽=怠け」ではない。
「楽=整っている」。
そう身体が理解し始めたとき、回復は、さらに深く、静かに進んでいきます。
身体の声を大切にしよう。
無理をしないようにしよう。
感覚をちゃんと感じよう。
そう意識するようになってから、かえって疲れてしまう人がいます。
今はどう感じているだろう。
これは身体のサインだろうか。
無理していないだろうか。
気づけば、一日中、身体をチェックしている。
ヒーリング整体をしていると、この状態にいる人を、ときどき見かけます。
身体の声を聞くこと自体は、とても大切なこと。
でも、聞きすぎると、それは「見張る」ことに変わってしまいます。
本来、身体の声はずっと意識して拾い続けるものではありません。
喉が渇いたら水を飲む。
眠くなったら休む。
それくらい、さりげないやり取り。
でも、ちゃんと感じようと頑張りすぎると、身体は、また緊張します。
間違えたくない。
無理をしたくない。
サインを見逃したくない。
そう思うほど、感覚は固まりやすくなる。
真面目で感受性が高い人ほど、この状態に入りやすい傾向があります。
ちゃんと向き合おうとする。
丁寧に扱おうとする。
その姿勢自体は、とても優しい。
でも、身体は管理されたいわけではありません。
信頼されたい。
ヒーリング整体では、「感じよう」とする意識が緩んだときに、身体が一気に動き出すことがあります。
力を抜いた瞬間。
考えるのをやめた瞬間。
ただ、ぼんやりしたとき。
そのほうが、身体はよく話してくれます。
身体の声を聞くことは、真剣に向き合うことではなく、そばにいること。
聞きすぎて疲れたときは、一度、離れてみてもいい。
身体は、必要なときには、ちゃんと呼びかけてきます。
体調が良くなってくると、ほっとするはずなのに、なぜか不安になる人がいます。
もう少し様子を見たほうがいい気がする。
このまま良くなってしまって大丈夫だろうか。
また戻るんじゃないかという予感。
ヒーリング整体をしていると、この反応は、決して珍しくありません。
体調が悪いとき、人は「理由」を持てます。
休む理由。
無理をしない理由。
助けを求める理由。
でも良くなってくると、その理由が、少しずつ消えていく。
また動かなきゃいけない気がする。
また期待されるかもしれない。
前みたいに、頑張らなきゃいけないのではないか。
そう感じた瞬間、身体は、もう一度ブレーキをかけたくなります。
怖いのは、良くなることそのものではなく、「良くなったあとに戻る役割」。
責任感が強い人ほど、この怖さを感じやすい傾向があります。
調子が良い=ちゃんとしなきゃいけない。
元気=期待に応えなきゃいけない。
そう無意識に結びついていると、回復は、安心ではなく緊張になります。
でも、体調が良くなることは、元の場所に戻ることではありません。
同じペースに戻る必要も、同じ役割を引き受ける必要もない。
身体は、「もう一度頑張れるようになったよ」ではなく、「無理のない状態に戻ったよ」と伝えているだけ。
体調が良くなって怖くなるのは、弱さではありません。
変化をちゃんと感じ取れている証拠。
その怖さが出てきたら、一気に前へ進まなくていい。
ゆっくり、確かめながらでいい。
回復は、勢いよく走り出すことではなく、戻れる場所を持ったまま、少しずつ動き出すこと。
体調が良くなると怖くなる人は、本当は、自分の身体をとても大切にできる人です。
整いが始まると、安心するより先に、不安が顔を出すことがあります。
少し楽になったはずなのに、どこか落ち着かない。
前より静かなはずなのに、逆にソワソワする。
ヒーリング整体をしていると、この反応は、とてもよく見られます。
不安が出てくると、「まだ整っていないのかな」「何か足りないのかな」そう考えてしまいがちですが、実はこれも、整いの途中で起きる自然な反応。
人は、長く続けてきた状態に慣れています。
たとえそれが緊張や無理を含んでいたとしても、身体にとっては“知っている状態”。
整い始めると、その慣れた緊張が抜けていきます。
すると、今まであった支えがなくなったように感じる。
その空白に、不安が入り込む。
でもそれは、悪い兆しではありません。
身体が、新しい安定に移行しようとしている証。
先を予測して安心したい人ほど、この不安を「元に戻したほうがいいサイン」と受け取りやすい傾向があります。
でも、戻る必要はありません。
整い始めの不安は、壊れているサインではなく、切り替わっているサイン。
今までのやり方を一度、手放したからこそ出てくる感覚です。
このときに大切なのは、不安を消そうとしないこと。
安心しようと頑張らないこと。
ただ、今、何が変わったのかを感じる。
呼吸はどうか。
身体のどこに重さがあるか。
前より力が抜けている場所はどこか。
それに気づけたとき、不安は、少しずつ役目を終えていきます。
整いは、一直線では進みません。
揺れながら、確かめながら、少しずつ定着していきます。
整い始めの不安は、その過程に必ず現れる、通過点。
越えようとしなくていい。
感じたまま、通っていけばいい。
その先に、静かな安定があります。
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